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第5回 印象的だった仕事たち ――『GUN×SWORD』は、メインスタッフとして谷口悟朗監督作品に初めて参加した作品です。それまで谷口作品はご覧になっていましたか? 木村 『スクライド』、『プラネテス』は見ていました。そこから受けるイメージと、谷口監督像の間に、違いはなかったですね。まっすぐなものを作る人。その通りでした。『GUN×SWORD』にしても、バカバカしかったり、はぐらかすような雰囲気はありますけれど、素地として主人公ヴァンは、まっすぐですから。 ――『GUN×SWORD』にはどういう経緯で参加されたんでしょうか。 木村 メインスタッフの中では遅い方なんですよ。もともとは、まさひろ山根さん(※1)とプロデューサーのほうで企画が進んでいて、その後、シリーズ構成の倉田(英之)さん(※2)が決まり、谷口さんも参加したと。そうやってスタッフが固まっていく過程の中で、倉田さんのほうから、山根さんと一緒に参加してくれるならまた一緒に仕事がしたい、という話が出たそうで。倉田さんとは『まりんとメラン』の時以来で、もう一回仕事をしたいと言ってくださったのは、すごく嬉しかったです。 ――『GUN×SWORD』の中でうまくいったなぁと思うキャラはありますか。 木村 うーん、うまくいったというか、ヴァンが、ちゃんと主人公として、最終回まで到達できたというのが、一番の収穫です。自分で作っていても、これでうまくいくのかどうか、最初から不安要素がずいぶんあったキャラクターだったんですよ。シリーズ全体もバラエティに富んで、おもしろかったですしね。その辺は、倉田さんが本当にうまかったと思いました。バカバカしい部分もあるけれど、それなのに一本筋の通ったお話としておもしろくなるようにまとめていて。 ――ちょっと話題が前後しますが、そのほかこれまでのキャリアで印象的だった作品は……。 木村 『機動武闘伝Gガンダム』(※3)は、谷口さんと仕事をするきっかけになった作品ですね。仕事面では、TVシリーズのローテーションに入って、1年間の作画監督を初めてやりきった作品でもります。ともかく『Gガンダム』では東方不敗に尽きます。初登場の回(第12話「その名は東方不敗!マスター・アジア見参」)も半パートですが作画監督でしたし、最後の回(第45話「さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す」)もキャラ作監で。作品に勢いがあったので、楽しみながら出来た仕事の一つです。 ――意外なところでは3DCGで作られたTVシリーズ『SDガンダムフォース』(※4)のキャラクターデザインというのもありますね。 木村 特異といえば特異な仕事ですね。これはプロデューサーの堀口(滋)さんから声をかけていただいた仕事でした。ゲームなんかを見ていると、3DCGのキャラクターの最近の進化はすごいなと思っていましたが、自分のマンガマンガしたデザインが、あそこまで3DCGでできるというのは、ちょっと驚きではありました。CGですから、私の仕事はキャラクターのモデルが出来た時点で終わりなんで、それも、アニメーターの感覚からするとちょっと不思議な感じでした。ちょっとしたこぼれ話でいうと、実はマーガレット市長のバストってデザインではもっと大きかったんですよ。ただそれだと、キャラクターが演技をするときに、腕が胸にめり込んでしまうと。それで抑え目になったんです。堀口さんは、バストもちゃんと柔らかく描きたい、と言っていましたが、さすがにそれはちょっと無理だったみたいです(笑)。 (※1) まさひろ山根 アニメーター、メカデザイナー。主な作品に『スクライド』『ベターマン』など。 (※2) 倉田英之 シナリオライター、小説家。主な作品に『R.O.D』『かみちゅ!』など。 (※3) 『機動武闘伝Gガンダム』 94年、今川泰宏監督。ガンダム同士を戦わせる「ガンダム・ファイト」の優勝国が国際社会の覇権を握る、という世界観で展開されたガンダム・シリーズの異色作。 (※4) 『SDガンダムフォース』 04年、阿部雄一監督・未来都市ネオトピアを舞台に、別の次元からやってきた「ダークアクシズ」と戦う「ガンダムフォース」の活躍を描く。 (第6回に続く) |
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