『コードギアス』への道 キャラクターデザイン ・木村貴宏編 第6回

第6回 CLAMPキャラへの挑戦



――今回の『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、これはどういう経緯で参加することになったんでしょうか。

木村 今回はサンライズさんからオファーをいただいたかたちです。その時に既に、CLAMPさんの原案があるので、アニメーション用のキャラクターを作ってほしいということでした。実は、今回はそのCLAMPさんのキャラクターに触れられるというのが、参加を決めた一番の動機なんですよ。CLAMPさんは、自分にないものをいっぱい持ってらっしゃる方なんで、そこについて改めて勉強させてもらおうと。

――具体的にいうとどんな点でしょうか。

木村 かっこいい男性キャラや女性キャラの持つ独特のデザインラインがまず魅力的ですよね。あとは、服や細かな装飾とかです。そういった発想や模索する過程をのぞいて見て、少しでも何か身につけられればな、と。

――CLAMPさんの原案をアニメーション用にまとめるにあたって、どんな苦労がありましたか。

木村 「原作」でないだけに、よけいに難しい部分というのはありました。この現場に入って一番最初にやったのは、CLAMPさんの絵の模写なんですよ。スタジオに入ったら、コミックスを手元に置いて、2~3時間は、キャラクターをひたすら模写してました。あらゆる原作モノにも共通することなんですが、アニメーションを作るにあたってCLAMPさんの原案のまま設定にすることは難しいんですよ。原案に描かれていない角度からの絵が必要なのはもちろん、サブキャラはその絵柄になじむように作らなければなりません。だから、アニメーション用の設定を起こすには、CLAMPさんのエッセンス、どこをどう取ればCLAMPさんらしく見えるのか、それを掴む必要があったんですね。模写をしながら、そこを探り出すまでが結構大変でした。

――デザインをまとめる上で、やっぱり苦労したのはルルーシュでしょうか。

木村 そうですね。決定稿になるまで、五稿ぐらい描きました。

――こういう時は一人ずつ設定を描き上げていくものなんですか?

木村 今回は、一通り何人も描いてみて、それを全体を見直して、最初っからやり直していくというやり方です。CLAMPさんのキャラクターは身体のライン自体が特徴的ですから、そこは苦労したところの一つです。

――描いていてCLAMPさんらしいキャラクターと思ったのは、誰ですか。

木村 ロイドですね。ちょっとあやしい感じの、得体の知れない雰囲気を持っています。総じて男性キャラクターは手になじんできたんですが、女性はまだまだ難しいです。ついつい自分のクセが前面に出ちゃって(笑)。

――今回はキャラクターデザインに専念されているのですよね。

木村 そうです。ただ第1話については総作画監督をやっています。チーフアニメーターの千羽由利子さんが、とても勘のいい方で、ルルーシュの微妙な表情とか、すぐ掴んでくださったんですよ。本当に素晴らしい仕事をなさってます。。

――素朴な質問ですが、アニメのお仕事をしていて、良かったなと思う時はどんな時ですか。

木村 一番嬉しいのはスタッフみんなで、出来上がったフィルムを見るときと、それを見た人の反応が聞こえてきた時ですね。何年か前だったら、絵が良かったっていわれるのが嬉しかったと思うんですけれど、今は、作品がよかったといわれるのが一番うれしいです。メインスタッフになって、全話にかかわるようになって、ちょっと変わってきたかもしれません。

――では、最後に『コードギアス 反逆のルルーシュ』について一言お願いします。

木村 一番最初に企画を聞いた時に「『コードギアス』は、ピカレスクロマンだ」、と。その言葉に非常に心ひかれました。そういう部分を楽しみに見ていただけるとうれしいですし、なにより自分も楽しみにしています。

――ありがとうございました。


(終わり)