メイキング・オブ・ZERO REQUIEM 構成:森田繁 編
いよいよ発売の近づいてきた『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のスペシャル・エディション『ZERO REQUIEM』。怒濤の全25話をどういうコンセプトで2時間に圧縮したのか。構成の森田繁さんに話を聞いた。
――『ZERO REQUIEM』をまとめるにあたってどんな打合せがあったんでしょうか。
森田 前のスペシャル・エディション『BLACK REBELLION』は、来るべき『R2』への期待感みたいなものに向けて構成されていたと思うんです。でも今回は、物語がすべて終わっていることを視聴者の皆さんが知っている。ならば『R2』の物語が持っている余韻を大事にしたまとめ方がいいんじゃないか、という話がまずありました。
しかも『R2』は前シーズン以上に起伏の激しいストーリーなので、単純にストーリーを追ってしまうと2時間以内には絶対に収まらない(苦笑)。キャラクターも多いので、それを全員フォローしようとすることも難しい。そこで総花的にまとめるのではなく、徹底してルルーシュのドラマにフォーカスしていくかたちになりました。
――するとかなり大胆な構成になっているわけですね。
森田 はい、そうです。初の時点では、冒頭にいろんなキャラクターの紹介を置くオーソドックスな構成も書いてみました。でも、途中でそのままいくのは無理だと判断しました。最初にキャラクターを紹介しちゃうと、最後までそのキャラクターをフォローしなくてはなくなるんですね。でも、そんな余裕はない。あるいはTURN6『太平洋 奇襲 作戦』なんかも、普通であれば拾うところなんでしょうが、今回については、ナナリーの見せ場は後半にあるのだからここは省こう、というふうに判断しました。本編は「「トッピング全部載せ」(笑)という言葉が示すとおり、徹底的に足し算で作られていたんですが、それを短くまとめるにあたっては、今度は徹底的に引き算でまとめるしかなかったんです。
――そうすると構成をする上でポイントになったエピソードというのはどういうものになりますか?
森田 シャーリーとロロ、それぞれの死を大きなポイントととして取り上げ、さらにルルーシュの最後の決意を含めた3本の柱とする。このコンセプトは、すでに河口(佳高)、湯川(淳)両プロデューサーの中で最初から確立していました。ご承知のように、シャーリーたちはルルーシュの物語に大きなターニングポイントをもたらした存在です。その二人を軸に据えれば、『R2』の全体像が俯瞰できるのではないかという構想ですね。
そこで僕のほうで、先述のような試行錯誤をしつつこのコンセプトを詰めた簡単な構成メモを作り、それをもとに編集ディレクターの小倉史科さんがうまい具合に収めてくれました。複雑な『R2』の物語がコンパクトにまとめられたのは、小倉さんの編集のおかげです。
――シャーリーとロロ、それにルルーシュとC.C.の新録ナレーションがあるそうですね。
森田 最初はルルーシュのナレーションのみで進行することも検討したんですが、シャーリーとロロの心情に触れるとなると、ルルーシュ視点では難しい。そこでシャーリーとロロのナレーションも加わることになりました。死んでしまった二人がルルーシュに言い残した想いを手紙にしたような雰囲気ですね。
シャーリーは、かわいい子なんですが、ウェットになりすぎないように気を付けました。ロロは、語るべき思い出を持っていなかった子供なので、気持ちが未来へ向かっている部分を出せればと思って書きました。
自分で書いていて印象的だったのはC.C.のナレーションかな。本作でのC.C.はTV本編に登場した彼女とはちょっと違う存在で。Cの世界と等価の、ある意味では神にも等しい存在なんです。こういうセリフは、書いていて気持ちがいい(笑)。
最終的なセリフは、映像とのフィッティング段階で小倉さんからいただいた指示に従って調整しました。
――『ZERO REQUIEM』の見どころを教えてください。
森田 切なくてかっこいいルルーシュ。これに尽きます。彼は実際にはドジっ子なんですが、今回はそっちの成分は控えめにして(笑)。世界に抗い、颯爽と駆け抜けていった一人の少年の物語を見届けてほしいと思います。
それから、見どころといえば忘れていけないのが、木村貴宏さんによるエンディングのイラスト。本編が終わった後に、余韻に浸れるエンディングになっています。
※次回は編集ディレクターの小倉史科さんのインタビューを紹介します
――『ZERO REQUIEM』をまとめるにあたってどんな打合せがあったんでしょうか。
森田 前のスペシャル・エディション『BLACK REBELLION』は、来るべき『R2』への期待感みたいなものに向けて構成されていたと思うんです。でも今回は、物語がすべて終わっていることを視聴者の皆さんが知っている。ならば『R2』の物語が持っている余韻を大事にしたまとめ方がいいんじゃないか、という話がまずありました。
しかも『R2』は前シーズン以上に起伏の激しいストーリーなので、単純にストーリーを追ってしまうと2時間以内には絶対に収まらない(苦笑)。キャラクターも多いので、それを全員フォローしようとすることも難しい。そこで総花的にまとめるのではなく、徹底してルルーシュのドラマにフォーカスしていくかたちになりました。
――するとかなり大胆な構成になっているわけですね。
森田 はい、そうです。初の時点では、冒頭にいろんなキャラクターの紹介を置くオーソドックスな構成も書いてみました。でも、途中でそのままいくのは無理だと判断しました。最初にキャラクターを紹介しちゃうと、最後までそのキャラクターをフォローしなくてはなくなるんですね。でも、そんな余裕はない。あるいはTURN6『太平洋 奇襲 作戦』なんかも、普通であれば拾うところなんでしょうが、今回については、ナナリーの見せ場は後半にあるのだからここは省こう、というふうに判断しました。本編は「「トッピング全部載せ」(笑)という言葉が示すとおり、徹底的に足し算で作られていたんですが、それを短くまとめるにあたっては、今度は徹底的に引き算でまとめるしかなかったんです。
――そうすると構成をする上でポイントになったエピソードというのはどういうものになりますか?
森田 シャーリーとロロ、それぞれの死を大きなポイントととして取り上げ、さらにルルーシュの最後の決意を含めた3本の柱とする。このコンセプトは、すでに河口(佳高)、湯川(淳)両プロデューサーの中で最初から確立していました。ご承知のように、シャーリーたちはルルーシュの物語に大きなターニングポイントをもたらした存在です。その二人を軸に据えれば、『R2』の全体像が俯瞰できるのではないかという構想ですね。
そこで僕のほうで、先述のような試行錯誤をしつつこのコンセプトを詰めた簡単な構成メモを作り、それをもとに編集ディレクターの小倉史科さんがうまい具合に収めてくれました。複雑な『R2』の物語がコンパクトにまとめられたのは、小倉さんの編集のおかげです。
――シャーリーとロロ、それにルルーシュとC.C.の新録ナレーションがあるそうですね。
森田 最初はルルーシュのナレーションのみで進行することも検討したんですが、シャーリーとロロの心情に触れるとなると、ルルーシュ視点では難しい。そこでシャーリーとロロのナレーションも加わることになりました。死んでしまった二人がルルーシュに言い残した想いを手紙にしたような雰囲気ですね。
シャーリーは、かわいい子なんですが、ウェットになりすぎないように気を付けました。ロロは、語るべき思い出を持っていなかった子供なので、気持ちが未来へ向かっている部分を出せればと思って書きました。
自分で書いていて印象的だったのはC.C.のナレーションかな。本作でのC.C.はTV本編に登場した彼女とはちょっと違う存在で。Cの世界と等価の、ある意味では神にも等しい存在なんです。こういうセリフは、書いていて気持ちがいい(笑)。
最終的なセリフは、映像とのフィッティング段階で小倉さんからいただいた指示に従って調整しました。
――『ZERO REQUIEM』の見どころを教えてください。
森田 切なくてかっこいいルルーシュ。これに尽きます。彼は実際にはドジっ子なんですが、今回はそっちの成分は控えめにして(笑)。世界に抗い、颯爽と駆け抜けていった一人の少年の物語を見届けてほしいと思います。
それから、見どころといえば忘れていけないのが、木村貴宏さんによるエンディングのイラスト。本編が終わった後に、余韻に浸れるエンディングになっています。
※次回は編集ディレクターの小倉史科さんのインタビューを紹介します