メイキング・オブ・ZERO REQUIEM 2 編集ディレクター 小倉史科
『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のスペシャル・エディション『ZERO REQUIEM』。怒濤の全25話をどういうコンセプトで2時間に圧縮したのか。編集ディレクターの小倉史科さんに話を聞いた。
――シャーリーとロロ、それにルルーシュという三本柱が最初にあったそうですね。
小倉 そうです。河口(佳高)プロデューサーからその三つの柱で、2時間以内にまとめてほしいという話がありました。それを踏まえて森田さんから、要素を簡単に列挙したメモをもらいまして、あとはこちらで考えながらつないでいきました。2時間という枠は決まっているので、後は世界観を壊さないようにしながら。なにを落とすかという問題でした。
放送当時は誰もラストシーンを知らなかったわけですが、『ZERO REQUIEM』はもうラストが見えている状態で見るものなので、再見することでなにか別のものが見える内容になればと思いながら作業をしました。
――苦労されたのはどこでしょうか?
小倉 やはりAパート、冒頭からシャーリーの死までは苦しみました。どこまで風呂敷を広げられるかを考えつつ、全体を2時間内に収めるかを考えながらの作業だったので。
最初は「中華連邦のエピソードも、戦闘シーンもいらない」ぐらいの勢いで注文されていたんですが、いかに時間がないとはいえ、黒の騎士団がなにをやっているかわからないのも苦しいなぁと思ったり。それにルルーシュが結構かっこよく花嫁を奪う場面もあったりしますしね。それで最低限、中華連邦編を拾いつつ、それを前ふりみたいにして、シャーリーのいるアッシュフォード学園のほうにつなぐようにしてみました。
TURN12『ラブ アタック !』の部分がわりと長く入っているのは、私が好きなエピソードでもあるんですが、ここでシャーリーの気持ちをしっかりと見せることで、その後の展開の悲しさがより伝わるようになると考えたからです。
Aパートの編集中はこれでまとまっているのか結構不安で、編集したものを見ながら打合せで検討した時に、大丈夫だろうということになって、ようやく安心しました。
――するとそれ以降はスムーズだったのでしょうか。
小倉 そうですね。ロロがメインとなるBパートや、ラストのCパートなどはとてもスムーズに進みました。ロロはAパートではずっと味方として登場しているんです。それで、Bパートの死ぬ直前に回想で、どうして味方になったかを入れることでうまくまとまりました。
20話以降をまとめたCパートは、必要なシーンを選んで整えていったら自然とトータル1時間57分ぐらいに収まってきて、奇跡的にうまくまとまりました。必要最低限とはいえ、戦闘シーンもちゃんと入れることができましたし。これがもし、もう5分オーバーしていたら、根本的な手直しが必要になったはずので、これはラッキーだったな、と(笑)。TUER25『Re;』のBパートなんかは、ほとんどそのまま残っています。
――逆にシュナイゼルや皇帝は、一方後ろに下がった構成ですね、
小倉 今回はタイトルが『ZERO REQUIEM』ということで、そこに向かってルルーシュを軸に全体が進行する内容になっています。だから皇帝やシュナイゼルも、あくまで“悪役”という範囲でしか登場させていません。それぞれの立場を語ってもらう時間はなかったので。唯一、シュナイゼルにギアスをかける場面でのみ、皇帝、シュナイゼル、ルルーシュのそれぞれの立場の違いを、ルルーシュ自身の口から語ってもらっています。
――ナレーションについてはどう決めていったんでしょうか?
小倉 映像先行で、編集で切ってしまった部分をフォローする意味で入れてもらいました。一つ森田さんにお願いしたのは、観客はゼロレクイエムで何が起こるかを知っているんですが、でも、それを前提にしすぎないようにしてほしいということです。一回、ルルーシュのナレーションが、完全にラストを決意したことを前提にした文章になっていて、そこだけはサプライズがなくなるので修正をお願いしたことはありました。
――カットしてしまって心残りな部分はありますか?
小倉 ニーナがクライマックスでルルーシュに協力しますよね。あそこに至る過程の映像をもうちょっと入れられると、ニーナの気持ちがはっきりと伝わったかも、とは思っています。そのほかロイドとかも、画面に出てくるとホッとできるキャラクターなんですが、どうしても収まらなくてカットしてしまいました。
――エンディングは木村貴宏さんのイラストです。
小倉 イラストそものもはとても楽しそうな内容なんです。本編の余韻を残す狙いもあって、河口プロデューサーからは、その楽しそうなイラストを哀しく見えるように演出してくださいと注文を受けました。うまくまとまっているといいのですが。
――ありがとうございました。
――シャーリーとロロ、それにルルーシュという三本柱が最初にあったそうですね。
小倉 そうです。河口(佳高)プロデューサーからその三つの柱で、2時間以内にまとめてほしいという話がありました。それを踏まえて森田さんから、要素を簡単に列挙したメモをもらいまして、あとはこちらで考えながらつないでいきました。2時間という枠は決まっているので、後は世界観を壊さないようにしながら。なにを落とすかという問題でした。
放送当時は誰もラストシーンを知らなかったわけですが、『ZERO REQUIEM』はもうラストが見えている状態で見るものなので、再見することでなにか別のものが見える内容になればと思いながら作業をしました。
――苦労されたのはどこでしょうか?
小倉 やはりAパート、冒頭からシャーリーの死までは苦しみました。どこまで風呂敷を広げられるかを考えつつ、全体を2時間内に収めるかを考えながらの作業だったので。
最初は「中華連邦のエピソードも、戦闘シーンもいらない」ぐらいの勢いで注文されていたんですが、いかに時間がないとはいえ、黒の騎士団がなにをやっているかわからないのも苦しいなぁと思ったり。それにルルーシュが結構かっこよく花嫁を奪う場面もあったりしますしね。それで最低限、中華連邦編を拾いつつ、それを前ふりみたいにして、シャーリーのいるアッシュフォード学園のほうにつなぐようにしてみました。
TURN12『ラブ アタック !』の部分がわりと長く入っているのは、私が好きなエピソードでもあるんですが、ここでシャーリーの気持ちをしっかりと見せることで、その後の展開の悲しさがより伝わるようになると考えたからです。
Aパートの編集中はこれでまとまっているのか結構不安で、編集したものを見ながら打合せで検討した時に、大丈夫だろうということになって、ようやく安心しました。
――するとそれ以降はスムーズだったのでしょうか。
小倉 そうですね。ロロがメインとなるBパートや、ラストのCパートなどはとてもスムーズに進みました。ロロはAパートではずっと味方として登場しているんです。それで、Bパートの死ぬ直前に回想で、どうして味方になったかを入れることでうまくまとまりました。
20話以降をまとめたCパートは、必要なシーンを選んで整えていったら自然とトータル1時間57分ぐらいに収まってきて、奇跡的にうまくまとまりました。必要最低限とはいえ、戦闘シーンもちゃんと入れることができましたし。これがもし、もう5分オーバーしていたら、根本的な手直しが必要になったはずので、これはラッキーだったな、と(笑)。TUER25『Re;』のBパートなんかは、ほとんどそのまま残っています。
――逆にシュナイゼルや皇帝は、一方後ろに下がった構成ですね、
小倉 今回はタイトルが『ZERO REQUIEM』ということで、そこに向かってルルーシュを軸に全体が進行する内容になっています。だから皇帝やシュナイゼルも、あくまで“悪役”という範囲でしか登場させていません。それぞれの立場を語ってもらう時間はなかったので。唯一、シュナイゼルにギアスをかける場面でのみ、皇帝、シュナイゼル、ルルーシュのそれぞれの立場の違いを、ルルーシュ自身の口から語ってもらっています。
――ナレーションについてはどう決めていったんでしょうか?
小倉 映像先行で、編集で切ってしまった部分をフォローする意味で入れてもらいました。一つ森田さんにお願いしたのは、観客はゼロレクイエムで何が起こるかを知っているんですが、でも、それを前提にしすぎないようにしてほしいということです。一回、ルルーシュのナレーションが、完全にラストを決意したことを前提にした文章になっていて、そこだけはサプライズがなくなるので修正をお願いしたことはありました。
――カットしてしまって心残りな部分はありますか?
小倉 ニーナがクライマックスでルルーシュに協力しますよね。あそこに至る過程の映像をもうちょっと入れられると、ニーナの気持ちがはっきりと伝わったかも、とは思っています。そのほかロイドとかも、画面に出てくるとホッとできるキャラクターなんですが、どうしても収まらなくてカットしてしまいました。
――エンディングは木村貴宏さんのイラストです。
小倉 イラストそものもはとても楽しそうな内容なんです。本編の余韻を残す狙いもあって、河口プロデューサーからは、その楽しそうなイラストを哀しく見えるように演出してくださいと注文を受けました。うまくまとまっているといいのですが。
――ありがとうございました。